http://www.alterna.co.jpから転載]

オルタナ本誌62号「top interview」から

星野リゾートは、地域ごとの魅力や顧客満足度(CS)を高めるホテル経営で成功してきた。星野佳路代表は今回の新型コロナ禍では「観光の大義」を改めて社内に発信し、社員に考えてもらうきっかけ作りをしたという。
( 聞き手・森 摂=オルタナ編集長、吉田 広子、池田 真隆)

星野 佳路(ほしの・よしはる)

観光産業のサステナビリティについて話す星野代表

1960年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、米コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。91年、星野リゾート前身である星野温泉旅館(長野県軽井沢町、1914年開業)の社長に就任。

─日本の観光・ホテル業は新型コロナで大きな痛手を負いました。
4月初旬に現場が不安になるくらい、山のようにキャンセルが増えました。社員たちも「このままでは危ない」と思ったようです。そこで、コロナ禍での「18カ月計画」を打ち出し、5月には「星野リゾートの生存確率」を試算し社内に発信しました。これで社員たちは安心し、自分たちのやるべきことを考え行動してくれました。

─その過程で「観光の大義」についても発信されたそうですね。オルタナで使うパーパス(存在意義)と同義だと思います。「企業の目的は利益ではない」という前提です。
星野リゾートには「観光で地域経済を支えよう」という気構えを持って働いているスタッフが多くいます。しかし、新型コロナの感染拡大後に「コロナ禍なのに、東京から人を呼ぶのはけしからん」とご意見をいただくことがありました。

観光は地域経済を支えると信じて働いてきたスタッフにはショックなことだったと思います。そこで私から「観光の大義」を社内に発信することで、改めて自分たちの仕事の意義を考えてもらうきっかけとしました。

地方の空洞化、「観光」が解決策

─地方の衰退は、1985年の「プラザ合意」がきっかけでしたね。
当時270円くらいだった円ドルレートは、一気に70円台に駆け上りました。これにより地方にあった工場が海外移転し、地方産業の空洞化が始まりました。プラザ合意の時、私は米コーネル大学ホテル経営大学院に留学中で、ニュースに大変驚いたことを覚えています。

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