第3回 2020年6月17日

オルタナは「サステナビリティ部員塾」(協力:サステナブル・ラボ)第16期上期第3日目を6月17日、オンラインで開催しました。詳細は下記の通りです。なお、次回サステナビリティ部員塾(7月開催については、6月25日を目途にご連絡の予定です)

第1講 企業経営者が語る気候変動
梶原 建二(株式会社ニールズヤードレメディーズ代表取締役)
梶原建二氏は、アル・ゴア元米副大統領の認定するClimate Reality Leader の一人である。35年前、環境や将来への課題について考え、表参道に「植物」、「オーガニック」、「サステナビリティ」というキーワードを可視化した、ナチュラルでオーガニックな素材の化粧品会社、ニールズヤードレメディーズの日本法人を設立した。
同氏は、環境アクティビストではなく、経営者の視点から気候危機をとらえ、それに対する対策を事業やビジネスセミナーを通じて提唱している。また、危機的な地球環境の破壊、温暖化のもたらす気候変動の例を示し、「サステナビリティ」の次にくる「ネットポジティブ」という言葉について説明した。環境を考える施策は、今の環境問題の原因を0にするだけでなく、人類に有益な結果をもたらすことにつながるという意味合いをもつ。Less for betterの考えは、環境や気候危機における制約が、その制約を超えるために高度な技術革新を生み、人類の発展や都市と緑の自然を共存させることが可能であるとしている。それを実現するために、日本にいる約430万人の経営者が、温暖化や異常気象など気候変動に危機感をもち、コストだけでなく課題を優先させるよう、リーダーシップを発揮するよう呼び掛けていきたいと締めくくった。本セミナー参加者に向けては、環境リーダーとしての活躍にエールを送った。

第2講 脱炭素化に向けた国際的な動向と企業関連の国際イニシアティブ
池原  庸介(公益財団法人世界保護基金ジャパン 気候変動・エネルギーグループ プロジェクトリーダー)
池原氏は、Covid19、コロナ渦でGHG(温室効果ガス)の排出量が一時的に抑えられたが、IEAなど国際機関は、ポストコロナには化石燃料依存型経済からの脱却を課題とし、排出量をもとに戻してはいけないと述べている。また、コロナ後の経済復興に関して、欧企業の連盟であるEUグリーン・リカバリー・アライアンスは、クリーンエネルギーへの移行を推進していく姿勢を示している。
COP21では、パリ協定のSDGsの17つの目標が設定されたが、COP24ではさらに各国状況を棚おろしし、脱炭素社会実現のための数値目標と実際のギャップをどのように埋めるかの具体策が討議された。これは、資金供与を考え、ルールブック(実施方針)を明確にした点が成果である。
世界の脱炭素化にむけた取り組みは、PRI(国際責任投資原則)にもとづいて企業の価値を財務情報以外で評価するポイントのひとつになっている。日本は、パリ協定のSBT承認企業数が米国を抜いて一位になり、CDP(旧カーボンディスクロージャープロジェクト)のもとで情報開示に積極的であるものの、実質的な施策の実行、数値目標の達成には程遠い。
今後実効性を高めるため、WWFは「企業の温暖化対策ランキング」を公表しており、日本企業側は、JCI(日本気候変動イニシアチブ)や100社が参画する「クライメイトアクション100+」の協同エンゲージメントを通じて、実質的な削減目標にむけた取り組みをおこなっている。さらには、長期ビジョンにたった削減目標、持続可能なライフサイクル、再生可能エネルギーの活用の3つのポイントから、さらなるSBTにむけた進捗で企業の成果が期待されるとした。

第3講 WS(SDGsアウトサイドイン②)
森 摂(株式会社オルタナ 代表取締役 オルタナ編集長・「オルタナ」編集長)
前回にひきつづき、アウトサイドイン・ビジネス・アプローチのワークショップとして、7つの各ワークグループでは、選出されたパイロット企業の解決できそうな社会課題、課題解決に役立ちそうな会社資産、社会課題の解決を起点にしたビジネスアプローチをもとに話し合いが行われた。

第4講 企業事例3:ストライプインターナショナル
二宮  朋子(株式会社ストライプインターナショナル 経営企画室 マネージャー)
二宮氏からは、いまや1400以上の店舗数34ブランドをかかえ、アパレル・食品・雑貨を取り扱うストライプインターナショナルにおける社内のさまざまな取り組みを紹介された。それには、社員の91%が女性、平均年齢26才という会社は規模拡大によってとりにくくなる社内コミュニケーションの促進、多様化する社内(社員)や社外(顧客)の理解に欠かせないLBGTに対する配慮、取引先との公平な関係を築くためのフェアサプライチェーンマネージメント委員会の設立など具体的な施策が含まれる。また、様々な取り組みを「セカンドファミリー」という言葉を使った社内報の動画配信や、「amily」と称するアプリの使用、フェアサプライチェーンのCMなどを通じて実施している。同社は、マイノリティへの配慮を重点課題としており、SDGsの定量面、定性面を勘案した人事制度、社内環境を整えることによって人材の流出を減らし、商品のバリエーションを増やす施策をとっている好例である。最後にオンラインならではの質問タイムやチャット活用などで、双方向なやりとりが行われた。