http://www.alterna.co.jpから転載]

新型コロナウイルスの猛威が止まらない。世界の感染者数は426万人(5月13日時点)を超えた。このウイルスが起きた背景を、再生可能エネルギーを軸に考察していくと、行き過ぎたグローバリズムや経済効率性による「気候危機」があるとされる。コロナ後の社会の持続可能性には、気候変動と再エネへの取組が不可欠だ。複数回に分けて寄稿する。(寄稿・平井 有太=ENECT編集長)

感染が広がる新型コロナウイルス

今も猛威を奮い続ける新型コロナウイルス・COVID-19。東京の4月後半の姿は、世界全体の死者数の約2割を占めるアメリカにおいて、特に感染が広がるホットスポットNYであるということを語る識者もいった。まったく気を緩められない状況が続く。

中国は武漢で始まった、今や第3次世界大戦にも例えられる新型コロナウイルスとの戦いは、当初誰にとっても「うわぁ、大変だな」という程度の他人事であった。それがあれよあれよという間に深刻な危機となり、世界が慌てふためく中、CNNが報道したローマ教皇フランシスコの言葉に注目が集まった。

「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、環境危機を無視し続ける人類に対する『大自然の反応』の1つ。これが自然の報復なのかどうかは分からない。だが、自然の反応であることは間違いない」、「新型コロナウイルスの流行は生産と消費を減速させ、自然界について熟考するチャンスをもたらした」という教皇の言葉に「はっ」とさせられた人は、少なくない。

現にニュースでは、一時的であれ中国の大気汚染がおさまり、ベネチアの水路の水が澄み、インド北部の町からは数十年ぶりに、200キロ以上離れたヒマラヤ山脈が見晴らせるようになったといった報道がある。つまり期せずして、人類がノンストップで走らせてきた経済活動が地球環境に何をもたらしてきたか、新型コロナウイルスが私たちに伝えてくれているのだ。

再生可能エネルギーに日常的に触れていると都度、社会の根源を支えるその機能、私たちの生活のあらゆるところに影響を及ぼす底力に感服させられる。特に今、世界各地で起きている異常気象など気候変動がもたらす地球の危機を知る中で、目下「再生可能エネルギーには地球をも救うポテンシャルがある」ということを、学んでいる最中だ。

だからこの新型コロナ騒動を受けても、直感的に「気候変動が関係しているのではないか?」、「であるならば、再生可能エネルギーへの転換が、結局は自分たちの生活を救う一番の近道じゃないか?」という発想が頭に浮かぶ。しかし先述の教皇の言葉でさえ、もし「根拠のない、一宗教家によるキレイゴト」と揶揄された時、まだ反論できる言葉が自分にはない。しかしそこを論理的に、説得力あるかたちで語る方々が現れ始めている。

電力自由化のずっと前から、国内外で再生可能エネルギーの普及に尽力されてきたNPO法人「エコロジーオンライン」上岡裕理事長は、自然が破壊されることによって、住処を追い出された動物が餌を求めて市街地に出没したり、植物でも動物でも、希少種を食料や漢方として利用したりすることで人と動物の接触が促され、それが新たな「人獣共通感染症」発生に繋がっていると語る。カリフォルニアやオーストラリアの大規模な山火事、アマゾンの森林伐採、はたまた永久凍土の氷解によって未知のウイルスが解き放たれるリスクは、ここであえて深堀りする必要もないだろう。また、気候変動の根幹にはCO2排出の問題があり、それは常に環境破壊と表裏一体なのだ。

そして、人間が排出するCO2の約半分は、生活における電気の使用からきていることがわかっている。つまりCO2の排出は、私たちが日常的に使う電気を化石燃料から再生可能エネルギーに切り替えさえすれば、かなりの部分が抑制できる。