第4回 2020年1月15日

CSR部員塾第15期下期第4回が1月15日、東京・京橋のシティラボ東京で開催された。「企業とNGO/NPOのエンゲージメントとは何か」、「サプライチェーンと人権問題」についての講義が行われ、「自社における人権問題の洗い出し」をテーマにワークショップを実施。企業事例として、イオングループの「脱炭素・調達方針・食品廃棄物問題」など持続可能な社会の実現にむけた取り組みが紹介された。(鈴木朋幸)

◆企業とNGO/NPOのエンゲージメントとは何か
筒井 隆司氏 (WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン) 事務局長)

筒井氏は講義の冒頭で、「社会貢献や環境政策をすることで企業の商品は果たして売れるのかという疑問があった」と述べた。しかしWWFに所属し、これからの時代に必要な要素であると認識したと説明した。また現在は、歴史的な転換期であると強調した。

欧米と日本の企業文化の違いに触れ、欧米企業の重視する対象が「社会」であるのに対し、日本企業は「顧客」を重視する傾向があると指摘。目標設定においても、欧米企業は「野心的な目標設定」であるのに対し、日本企業は「達成可能な範囲で設定」しているという。

このような企業文化の違いから、現時点ではNGOやNPOとの連携は欧米企業の方が活発であり、日本企業は見習わなければいけないと説明した。

最後に、地球や自然のめぐみは永遠ではなく、未来の人々にどう残していくかを真剣に考える上で企業とNGO/NPOとの協業は必須であると力を込め、講義を締めくくった。

◆事例研究2:「サプライチェーンと人権問題」
下田屋 毅氏 (Sustainavision Ltd.代表取締役 株式会社オルタナ オルタナ総研フェロー)

下田屋氏は、「人権は不変ではなく変わりゆくものである」という認識が必要であると述べ、時代の流れに沿った考え方や行動が必須となると説明した。昨今、企業が人権尊重の取り組みを進めることは、企業の市場競争力を高めることにつながると指摘されていることを紹介した。

しかし、G20諸国のサプライチェーン全体では、年間約40兆円相当の輸入に現代奴隷が関与していると算出されており、国別の輸入額でみると日本が世界第2位となっている。日本は国外のサプライチェーン上に多く現代奴隷リスクを抱え、それは通常隠されていることが多く、発見することが難しいとされていると説明した。

2011年に国連で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」を主導したジョン・ラギー教授の懸念を引用した上で下田屋氏は、「SDGs(持続可能な開発目標)が変革をもたらすビジネスモデルを生み出すとしているが、実際は、人権の尊重こそが変革をもたらすものであると正しく理解することが重要だ」と述べた。

◆ワークショップ「自社における人権問題の洗い出し」