第4回 2019年7月17日

CSR部員塾第15期上期の第4回が7月17日、東京・京橋のシティラボ東京で開かれた。サステナビリティ戦略の近年の動向を概観した上で、企業経営とコンプライアンスについて考察した。企業事例として、第一生命グループの「DSR経営」の取り組みが紹介された。

◆サステナビリティ時事講座
森 摂(オルタナ編集長)

森は冒頭、「グローバル企業のサステナビリティ推進にとって難しい点は、国によって宗教や制度などが異なり、CSRの定義が違う点だ」と指摘した。その上で、サステナビリティをブランド化し社内外で浸透していくためには、「まず名前をつけることが最初のステップ」と述べた。

花王「キレイライフスタイルプラン」、マークス&スペンサー「プランA」、トヨタ自動車「環境チャレンジ2050」などをあげ、「包括的なサステナビリティ戦略を打ち出している会社はまだ少ない。今取り組むことで、業界をリードするチャンスがある」と話した。

2008年のリーマンショックを受け、企業の「パーパス(存在意義)」が強調されてきていることに触れ、その背景について「売上げや利益が減るなか、企業が改めて原点に回帰しようとしていることに加え、パーパスを明確化することで、より顧客にアプローチする目的がある」と説明した。

森は「企業の目的は収益ではない。収益はもちろん重要だがそれは結果に過ぎず、目的にしてしまうと様々な不正が起きるなどゆがみが生じてしまう」と強調した。

◆企業経営とコンプライアンス~広義と狭義のコンプライアンス~
白木大五郎氏(企業リスク研究所)

白木氏は「人間にとって一番のリスクとは、『生きていること』。企業にあてはめれば、誰をどのように雇うかという雇用、どこから何を仕入れるかという調達など、あらゆることがリスクになりうる」と述べた。

最近企業リスクのなかで、特に「コンプライアンス違反」が企業の存続に大きな影響を与える時代となっていると指摘した。

白木氏は、狭い意味でのコンプライアンスが「法令・規則遵守」を意味するのに対し、広義のコンプライアンスはそれに加え、「善良な企業市民としての社会的責任(CSR)」つまり社会的規範や常識、道徳観、倫理観、企業理念を含めるものだと強調した。

講義のなかでは、「罪重し 犯したことより 隠すこと」「初期対応の善し悪しが 天国地獄の分かれ道」など川柳を交えてコンプライアンスに関する近年の潮流を解説。その上で、「コンプライアンス教育は、知識教育ではなく意識教育。社員一人ひとりと経営層の危機意識がコンプライアンスを高める力だ」と述べた。

◆ワークショップ「“各社のCSR活動”プレゼン大会」