2018年10月24日開催 第14期下期「CSR部員塾」第1回で

 

◆CSRのPDCA-その1:経営との統合
講師:川村雅彦(オルタナ総研 所長・首席研究員/CSR部員塾 塾長)

1限目で川村塾長は、CSRとは、「企業の意思決定と事業活動が、環境と社会に及ぼす影響に対する責任である」と持論を述べた。CSRに取り組む必要性について、「自分に腹落ちしなければ、相手に伝えることはできない」と強調、重ねて、「WhatやHowよりもWhyの観点が大事である」とした。CSRへの取り組みはハードロー(法律・規範)を守るのは原則であり、その上で、ソフトローである①Relevance、②Materiality(重要性)、③Priority(優先性)の3点に取り組むことへの必要性を解説した。CSRの社員への浸透について、机上の講習ばかりでなく、体験型の講習(社会課題の現地に行って実際に活動を行う)が重要であると講義を結んだ。

◆2級教科書ポイント解説(3章)
講師:森摂(株式会社オルタナ代表取締役、オルタナ編集長)

2限目には、森代表が、CSR検定2級のポイントについて、テキスト第3章に絞り解説した。「CSRを経営にどう統合するか」について、自社の価値創造ストーリーをいかにつくるかが重要と指摘。そのために、企業理念を踏まえ、CSRスローガンを15~20文字程度、さらにCSRミッションを200文字程度で簡潔に定めることにより、自社の強みや弱みを明確にすることが、ブランドやビジョンを社内外に浸透させる道筋になると力を込めた。さらに「アウトサイド・イン」の考え方を踏まえ、SDGsの各ゴールと対照させるなど取り組みを適切に評価することで、CSRのPDCAサイクルを回していくことが重要だと指摘した。

◆ワークショップ(CSRのPDCA・KPIづくり)
講師:森摂(株式会社オルタナ代表取締役、オルタナ編集長)

3限目は、「非財務情報のKPI(重要業績評価指標)」をテーマにワークショップを行った。人権やジェンダーといった非財務の指標をどのように経営に組み込んでいくか、またE(環境)やS(社会)に比べ、G(ガバナンス)の取り組みが少ない現状などについて、活発な意見が交わされた。参加者からは、「(グローバルに事業を展開している企業における)海外での取り組みに比べ、日本法人の動きが遅い」「CSRリーダー制度など、教育により社内外の理解を高めることも有効では」などの声が上がった。社内でのCSRの実践については、「寄付を戦略的に活用するにはどうすればよいか」「CSRを担当する部署の人数が少ない場合、どのように他の部署との協働を行っていくべきか」などの点について議論を深めた。

◆企業事例6:大和ハウス工業
講師:近久啓太氏(大和ハウス工業株式会社 CSR部長)

4限目で講師を務めた大和ハウス工業の近久氏は、同社の原点である「儲かるからではなく、世の中の役に立つからやる」という考えを紹介し、「会社は社会の公器」であることを強調した。現在、同社の強みは、グループ企業も含め「インフラ」「家」「街」「暮らし・サービス」を一気通貫で事業を展開できる点である。それを踏まえ、人・街・暮らしの価値共創グループとして「社会の公器」を目指している。同社の創業者は、「CSR」「CSV」「ESG」などの言葉が一般的になる以前に自身の言葉で同じ考えを社員に説いてきたとし、現在、同社CSRの原点は「創業者精神の継承」と「変化への対応である」と語った。