ところが、1985年ごろを境にこの数字が急上昇し、この数年は20%以上に再び増えてしまったのです。そのきっかけはレーガン大統領による「レーガノミックス」でした。

レーガン大統領は、英国のサッチャー首相と同様、規制緩和や国営企業の民営化を提唱した「新自由主義」の実践者でした。この考えは当時の中曽根政権(国鉄民営化など)、小泉政権(郵政民営化)や現在の安倍首相にも色濃く反映しています。

その新自由主義を世に唱えたのは、ノーベル経済学者のミルトン・フリードマン・シカゴ大学教授(当時)です。そして、フリードマン教授は「企業のゴールは利益を最大化し、株主に配当すること」と主張し、さらには「チャリティは自分の時間とお金を使って(会社とは関係なく)好きにやればよい」と指摘しました。

これが日本で若干の曲解を経て、「企業にCSRは必要ない。本業をしっかりやっていれば良い」と考える経営者が増えた原因なのです。

さて、グローバリゼーションの話に戻ると、英国のEU離脱やトランプ現象に象徴される通り、20世紀型のグローバリゼーションは、あまりにも課題や問題点が多く、所得の分配がうまく行かず、各国の中間層を蝕んできました。

これを解決しないと、もうグローバリゼーションは各国で受け入れてもらえないところまで来たと言っても過言ではありません。だから、グローバル企業はCSRの考え方を経営に組み込み、その「負のインパクト」を最小化する努力をしないと、自らの事業機会を失いかねないのです。

21世紀型のグローバリゼーションは、その存亡をかけて、さまざまな社会的課題を解決し、矛盾を排除していかなければなりません。それを突き付けたのが、英国のEU離脱とトランプ当選です。外国排斥や保護主義の動きはフランスやイタリアなど他の欧州諸国に飛び火しています。私たちはどう変わって行けるのか。2017年はそれが大きく問われる年になるのではないでしょうか。