私は企業関連のセッションに参加した。再認識したのは、「企業1社で実施するには限界がある。NGOなど関連団体を中心に他企業とも協働を積極的に行う必要がある」ということだ。さらに協働からイノベーションに結び付け、それを他の地域へとスケールアップする方向で動いていることである。

衛生問題対策ビジネスを加速すると題した「 Toilet Board Coalition」のレポート

衛生問題対策ビジネスを加速すると題した Toilet Board Coalitionの最新レポート

イニシアティブの一つである「トイレット・ボード・コアリション」は、低所得市場に衛生問題の課題解決を提供するためのビジネスのプラットフォームだ。ユニリーバやキンバリークラーク、日本ではリクシルが参加していた。英NGOウォーター・エイドはこのプラットフォームに参加するたけでなく、H&MやHSBCなどとの個別の協働プロジェクトを実施している。

PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)も話題になっていた。最近立ち上げられた「スウェーデン・テキスタイル・ウォーター・イニシアティブ」には、H&Mやイケアなどが参加し、「水の効率的使用」や「水の汚染予防」、「廃水の処理」などについて検討を始めている。

イニシアティブには、最初から解決策があるわけではない。第一段階として、イノベーションを生むために協働で解決策を模索する機会をつくる。競合他社であっても、サステナビリティに関しては積極的に協働していく。

水対策は自社のサステナビリティのカギ

このように水への対応はリスク対応のみならず、機会として捉えて、競合他社とも協働する動きが世界では加速している。さらに国連が昨年発表した持続可能な開発目標(SDGs)と気候変動対策のパリ協定に絡めた動きもある。

このトレンドに乗り遅れる企業は、水という貴重な資源を将来的に確保できなくなり、自社の持続可能性にも大きな影響を与えることを認識しなければならない。海外の企業はすでにサステナビリティに本気で取り組み始めていることを念頭に置き、認識を改めて活動を進めていただきたい。