シリーズ「人類が出せるCO2はあと1兆トン」

気候変動のリスク・商機に気付きはじめた日本企業 (その2)
~気候変動「適応」における地域と企業の連携(環境経営学会)~

前回の環境省主催の「企業を主軸とした『気候変動適応ワークショップ』」に続いて、今回は、12月8日に環境経営学会が開催した気候変動への「適応」に関するシンポジウムについて報告する。

開催概要は以下のとおり。

【環境経営学会シンポジウム(エコプロダクツ2017同時開催)】

主題:気候変動適応における地域と企業の連携について
日時:2017年12月8日(金)13:30~16:30
場所:東京ビッグサイト(東京国際展示場)東京都江東区有明
主催:認定NPO法人 環境経営学会
共催:サステナビリティ・コミュニケーション・ネットワーク(NSC)
協賛:環境監査研究会、サステナビリティ日本フォーラム(Sus-FJ)

シンポジウムの背景と狙い

気候変動(地球温暖化)は、もはや避けることができない「現実」である。今、仮に、世界中のCO2排出量をゼロにできたとしても、気温上昇はこれまでの累積排出量にほぼ比例するため、今後数十年は気温上昇は続くと言われている。

実際の化石燃料の燃焼に伴う世界のCO2排出量は、この数年間では毎年320億トン前後で高止まりした状態が続いている。

それゆえ、気候変動による損害・被害を回避あるいは最小化するためには、気候変動に対してレジリエントな社会・経済を構築することが不可欠である。そのためには多様な主体の連携が求められる。特に、地域と企業が連携して「適応」に取り組むことが重要である。

企業は地域社会と相互依存関係にあることから、「適応」においても相互に情報と知見を活用して効果的な対策が可能となる。さらに双方の情報共有と意思疎通で無駄な重複が排除できるなどの利点がある。

なお、企業の「適応」とは、企業が気候変動に経営課題として向き合い、その経営リスクを認識し回避・低減すること、さらに、それをビジネスチャンスに変えることである。すなわち、『気候リスク管理』と『適応ビジネス』である。

このシンポジウムでは、上記の観点から、地域と企業の「適応」に関わる複数の主体が情報発信を行い、日本における「適応」の現状と、いかにして地域と企業が連携するかなどについて議論した。

講演(演題と講演者)

◎「適応」に関する基調講演

(1)「国・地方公共団体・民間事業者による適応の推進について」
環境省地球環境局気候変動適応室室長補佐 小沼信之氏

(2)「コミュニティ主導の気候変動適応策の実践:『気候変動の地元学』を入口にして」
法政大学サステナビリティ研究所教授 白井信雄氏

◎地方自治体の「適応」への取組事例

(1)長野県環境部環境エネルギー課課長補佐兼温暖化対策係長 松本順子氏
(2)川崎市環境局地球環境推進室担当係長 伊藤英介氏

◎企業と地域との連携事例
(1)サントリーホールディングス㈱サステナビリティ戦略部長 内貴研二氏
(2)東日本電信電話㈱ITイノベーション部グリーン推進室担当課長 三宅雄一郎氏

パネルディスカッション