第13期CSR部員塾第4回セミナーが7月12日(水)に行われました。
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を中心テーマに、塾生のプレゼンテーションを交えて、活気あるセミナーとなりました。

1.3級教科書ポイント解説その3「CSRに関する必須キーワード」
講師:岡部孝弘(サンメッセ株式会社 CSRセクションマネジャー)

「気候変動」「生物多様性」「フェアトレード」「BOPビジネス」など、企業がCSRを進める上で重要な12のキーワードを解説。言葉の意味を正しく理解するために、「生物多様性=絶滅危惧種の保全ではない」など、誤解されがちなポイントを含めて説明がなされた。
岡部さんは「グローバルな課題も意外と身近な問題として存在する。今、企業が社会性を無視することは不可能なので、積極的にビジネスチャンスとしてとらえていこう。本業のリソースを生かしてビジネスとして成立させることで継続が可能となる」と述べた。

 

2.Think SDGs
講師:川延昌弘(株式会社博報堂 広報室CSRグループ推進担当部長)

SDGs制定の歴史的背景、博報堂がプロボノとしてかかわったSDGs日本語版のコンセプト、社内にSDGsを浸透させ事業に結びつけるためのPDCAサイクルを回すためのツールとしてのSDG Compassなどが、SDGs普及のさまざまな課題とともに紹介された。
GPIFのESG指数選定に象徴されるように、企業のSDGsに対応したアクションとESG投資の拡大とは表裏一体の関係にあり、企業評価にも強く関連している。SDGsのピクトグラムをCSRレポートに使用する企業が増えている。博報堂はCSRを通じて「未来を発明する会社」になることを目指している。これらの内容とともに、企業におけるSDGs活用のさまざまなヒントが提示された。

 

3.ワークショップ―自社のCSR活動のプレゼン大会1―

塾生5名がそれぞれのCSRの取り組みについてプレゼンテーションを行った。

  • 株式会社クレハ
    ・ 2016年にCSR推進本部ができ、3年計画を推進中
    ・ 工場のある地域では環境対策、地域活動、地域対話集会など行っている
  • 株式会社竹中工務店
    ・ CSRビジョンは「まちづくりを通したサステナブル社会の実現」
    ・ 東日本大震災被災地における「子どもと築く復興まちづくり」、財団法人の運営、実用ビルのゼロエネルギー化などを行っている
  • 株式会社東海理化
    ・ 製造業として環境活動はできているが社会活動は不十分であり、検討を進めている段階
    ・ 急速なグローバル化などの変化に対応し、国際ガイドラインに沿ってCSRの構築を進める
  • 三菱地所株式会社
    ・ 地元(山梨県北杜市)のNPOと連携した「空と土プロジェクト」/障がいのある子どもたちの美術展「キラキラっとアートコンクール」などを実施
    ・ 副産物としての酒や材木をグループ企業で活用したり、開発を行う丸の内地区の料理人が東北の食材を使った缶詰の開発を行うなど、グループのリソースを活用している
  • 株式会社リクルートホールディングス
    ・ 通常の就職支援事業では対応しきれない、新卒未内定者やニート・フリーター、少年院、シングルマザーを対象とした就職支援として「ホンキの就職」プログラムを実施
    ・ これまでにのべ2万人以上が参加し、約60%が3ヵ月以内に内定を獲得。海外展開も進めている。

すべての発表のあと森摂(CSR部員塾代表)が、「引き算の広報戦略」をキーワードに伝え方について講義した。自社のCSRを広く認知してもらうためには、「自社のCSRを簡潔に言い切れること」「同業他社と明確に差別化できていること」「社員と共有できていること」が必要であると述べた。

 

4.企業事例4:株式会社伊藤園
講師:笹谷秀光(株式会社伊藤園 常務執行役員 CSR推進部長)

パリの自転車シェアリングや富山市のまちづくりの事例などをひきながら、日本型CSVとしての「発信型三方よし」が課題の複雑化したサステナビリティ新時代の経営戦略で必要であることが述べられた。
CSR・CSVといった英語の頭文字の言葉は伝わりにくいので、日本的理解としては「三方よし」でよいと思う。しかし、「陰徳善意」では外に伝わらないので、「発信型三方よし」とすることが大切で、そのためにはこれまでの産官学連携を超え、金融機関や労働者、言論(マスコミなど)を巻き込んだ「産官学金労言」の連携プラットフォームをつくり、参画することが重要。2020年は日本が注目される年になるので、CSVを攻めの企業戦略として活用してほしいと、笹谷さんは塾生にエールを送り、話を締めくくった。