7月1日、日経新聞の一面に掲載された「選別投資に3兆円 公的年金、環境や統治重視」という記事は、これまでのサステナビリティ関係者を中心とした枠組みを超えて、機関投資家をはじめとした投資家、アナリスト、マーケット関係者、そして事業会社へと、さまざまな話題と影響を及ぼしたと言える。GPIFがESG投資に本腰を入れることは本コラムでも再三お伝えしてきたことだが、独自の指数を選出し本格始動することは、いよいよ日本国内におけるESG投資手法やパフォーマンスの真価が問われることになり、長期的収益向上策への期待がますます高まることを表している。

(株式会社オルタナ オルタナ総研 事務局長 / サンメッセ株式会社 執行役員 田中信康)


新ESG指数には、国内企業から約360社が選定

7月3日にGPIFから公表された新ESG指数の選定結果は多くのマーケット関係者の関心を集めた。GPIFが公募を始め、約1年間をかけ慎重に検討された結果として、今回選定されたESG指数に基づき、当初は国内株全体の3%程度、金額にして約1兆円という規模でのパッシブ運用を開始するというもの。

以降、GPIFでは中長期的におけるパフォーマンス検証をしながら、先々に向け他のESG指数の活用や、アクティブ運用なども取り入れながらESG投資を拡大していくとしている。

今回選定されたESG指数は、英国FTSE社の「FTSE Blossom Japan Index(ESG総合型)」、米国MSCI社の「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(ESG総合型)」「MSCI日本株女性活躍指数(テーマ型)」の3本。

「テーマ型」については、「環境テーマ型」が継続審査中である一方、「ガバナンステーマ型」は該当なしとのこと。各指数におけるESG情報開示に対する評価が高い企業が選定され、国内企業におけるESG情報開示を後押しするGPIFの姿勢を鮮明に反映した形となっている。

各指数の開示情報の評価法、スコアは詳細に公開されており、各指数の合計として約360社(銘柄重複を除く)の国内上場企業が構成銘柄に選定された。各指数の構成銘柄も、それぞれWebサイトにて開示されている。