Michael Vadon

トランプ米大統領が1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を発表したことを受け、WWFやグリーンピースなど国際環境NGOが相次いで抗議文を発表した。国内では、経団連の榊原定征会長が「誠に残念」、経産省も「残念」との見解を示している。(オルタナ編集部=小松遥香)

WWF

WWFジャパンは2日早朝、各国のWWFと共にトランプ政権のパリ協定に「強く抗議する」と声明を発表。今回の決断を「すでに発生している気候変動の影響に苦しむ人々や将来世代に対する裏切りだ」と説明した。日本政府に対しては、トランプ政権に強く抗議し、パリ協定への復帰を継続的に呼びかけるよう要求している。

WWFインターナショナルの気候・エネルギー部門の代表であるマヌエル・プルガル・ビダル氏も、「パリ協定は、いかなる国やその政府の一存でどうにかなるものではない。パリ協定で掲げられた目標を達成することはまだ可能だ。しかし、無駄にできる時間はない」と見解を示した。

グリーンピース

グリーンピースもWWFと同様に「強く非難する」とし、米田祐子グリーンピース・ジャパン事務局長は「安倍首相は、先日のG7でパリ協定の速やかな実施への強い決意を表明しました。世界のリーダーの一人として、日本政府は米国の決断に振り回されることなく、行動を示すべきです」と発表し、政府や国内企業が進める東南アジアへの石炭火力発電の技術提供と投融資を再考して欲しい考え。

同インターナショナル事務局長のジェニファー・モーガン氏は「トランプ大統領の決断は世界的リーダーとしての米国の役割を放棄しようとしている。米国だけが離脱したということが、同大統領の考えが他国といかに乖離しているかを示している」と発表した。

FoE

FoE(Friends of the Earth)の米国支部のエーリヒ・ピカ代表は、「トランプ政権の決断は、歴史が厳正に審査するだろう。気候変動を否定し、行動を起こさないと決めたことで、トランプ大統領は、米国をはじめとする世界の何百万もの人々が飢饉や貧困、病や死の脅威にさらされ続ける道を選んだのだ。同大統領の石炭や石油政策は受け入れられない」と非難した。

日本国内の動き

経団連は2日午後、「パリ協定からの脱退を表明したことは、同協定の前提を崩すものであり、誠に残念である」という榊原会長の見解を発表。世界第2位の温室効果ガス排出国である米国の温暖化対策は極めて重要であるとし、米国に引き続き国際社会における責任を果たすよう求めるとした。

経産省は、外務省の「米国の脱退表明は残念である」との見解と同じであると回答。外務省の声明では、「米国は世界第2位の温室効果ガス排出国であり、同時に環境分野において先進的な取り組みを行っている国でもある」としながら、気候変動対策のために同国と協力する方法を探求すると発表。なお、日本の姿勢としては、パリ協定の締約国と同協定の着実な実施を進め、気候変動問題に積極的に取り組むと宣言している。