13期目を迎えたCSR部員塾が4月26日、始まった。当日は「CSR/CSVの基本構造」をテーマにセミナーが開かれた。

CSR経営は「アウトサイドイン」

1.CSR/CSVの基本戦略
講師:川村 雅彦(オルタナ総研所長/首席研究員/CSR部員塾塾長)

川村雅彦・オルタナ総研所長・首席研究員は「CSR/CSVの基本戦略」と題して、登壇した。CSR/CSVについて、「法令順守」「利益の社会還元」「本業の使命を全うすること」と認識することは、「日本型CSRの思い込み」と指摘。法令順守を超えて、ソフト・ローに対応していくことがCSR経営に求められると強調した。そして、CSR/CSVを経営に落とし込むためには、社会課題起点から取り組みを考えていくアウトサイドインの視点が必要とした。

 

2.CSRの基本構造と部員の役割
講師:森 摂(株式会社オルタナ 代表取締役 編集長)

続いて登壇したのは、森摂・オルタナ編集長。「CSRの基本構造と部員の役割」をテーマに話した。企業がCSR/CSVに取り組む目的については、「リスクの最小化、事業領域の拡大、企業価値の最大化にある」と話した。ミッション、ビジョン、バリューに加えて、パーパス(企業の存在意義)を定めることが、社会課題への対応で企業価値を向上させていく、ソーシャルブランディングには重要だと説明した。

 

3.ワークショップ

3限目のワークショップでは、受講者が6人ずつの島をつくり、講義を振り返った。CSR/CSV活動をトップや社内外へ伝えるための客観的指標はあるのかという質問には、「社会的価値を測る客観的な指標は存在しない。そのため、バックキャスティングの考え方で取り組まないといけない。どの課題を優先的に取り組むかは、それぞれの担当者が決めなくてはいけない」と講師は答えた。

 

4.企業事例1:富士フイルム

4限目は企業事例として、富士フィルムホールディングスの小島麻理・経営企画部CSRグループマネージャーが登壇した。同社では、CSRの考え方を2014年に「Value from innovation」と改訂し、より積極的な姿勢を強めたという。中期CSR計画を策定するにあたっては、ISO26000やGRIガイドラインを参考に、取り組む環境・社会課題を130項目リストアップ。その後、各部署と相談しながら重点課題を選び、CSR委員会で承認した。社内外とのコミュニケーションとして、社内SNSや地域住民との対話を行っていることも紹介した。