ESG情報発信のススメ (1) 持続可能な紙利用のためのコンソーシアム(CSPU)[オルタナ総研 事務局長 / サンメッセ株式会社 執行役員 営業企画部長 田中信康]

「持続可能な紙利用のためのコンソーシアム(CSPU)」は7月に、シンポジウム「サプライチェーンでの企業間連携 持続可能な紙利用の拡大を目指して」を都内で開催した。同コンソーシアムは2013年11月に設立され、2020年までに持続可能な紙利用を実践することを目的にしている。(オルタナ総研 事務局長 / サンメッセ株式会社 執行役員 営業企画部長 田中信康)

持続可能な紙利用について、消費者へのメッセージ力はまだ十分とは言えないが、参画する企業も増えつつあり、取り組みは前進しているといえるだろう。

同コンソーシアムは、環境や社会に配慮した紙利用を拡大するために先進的な取り組みを行う企業とWWFジャパン、レスポンスアビリティが立ち上げた。

シンポジウムの冒頭の挨拶で、キリン執行役員CSV本部CSV推進部長林田昌也氏は、「再生紙や認証紙など、100%問題のない紙利用に努めている。この1年で取り巻く環境が大きく変わり、商品パッケージに認証紙が使用できるようになった。しかし、まだ環境に配慮されていない紙は多く流通し、課題は山積している。この取り組みがさらに進むことを願っている」と話した。

シンポジウムの特徴は、CSPU参画企業7社に加え、サプライヤー数社もディスカッションに参加したことだ。文字通り、ユーザー側と供給側における意見交換が活発に行われ、意義あるシンポジウムだった。

今日までの取り組み報告としては、まず製紙・供給企業とのダイアログの実施。さらに、サプライチェーンへのアンケートが行われ、これらを通した問題点や課題に対する改善策なども確認された。

シンポジウムに参加した企業のプレゼンテーションも行われ、特にFSC認証紙の需給バランス、ニーズ、プレミアムだけでなく、ユーザー側の認識にまで踏み込んだ事例が発表された。非常に参考になったと考える参加者も多かっただろう。

花王執行役員購買部門統括田中秀輝氏は、「認証紙普及の取り組みは着実に前進している。供給先も改善されており、あとはどうニーズを増やしていくか。これから更なる普及に取り組んでいきたい」と話し、シンポジウムは閉会した。

2013年設立から現在まで、確実にマーケット環境は変化を見せている。ニーズが大きくなっているのは間違いなく、この背景のひとつに、東京オリンピックを見据えた動きであることが挙げられる。

しかし、今回のようなサステナビリティに関わる視点で問われているのは、経営者や取締役会こそが直面する課題に真摯に対応することである。経営トップがどう非財務であるESG情報の開示を真剣に考え、ディスクローズするかだ。

2020年に向けた一過性のものでなく、まさに持続的な活動の推進として、消費者動向にも大きな変化をもたらす潮流になることを期待したい。